事業報告

2011年度 奈人教 事業報告

第25回『なかま』実践研究集会

『なかま』とともに

2月10日、奈良県社会福祉総合センターを会場に、県内外から 200人を超える参加者を得て、『なかま』実践研究集会を開催しました。

本研究集会は、『なかま』教材を中心とした授業実践を軸にしながら、部落問題学習やさまざまな人権問題に関する教材開発、授業の工夫についての研究と交流の場として、1988年に第1回が開催され、本年で25回目を迎えました。

開会行事では、松浦教雄副会長の「『なかま』を通して子どもたちの成長と自己実現をどのように保障してきたか、同和教育の理念をどう継承しているかを明らかにしよう」という挨拶の後、藤田和義さん(県教育委員会 人権・社会教育課 課長補佐)からもご挨拶をいただきました。

【記念講演】

全体会では、鶴岡弘美さん(富田林市人権協議会)から「識字と絵本の出会い~『ひらがなにっき』で広がる人の輪、学びの輪~」と題してご講演いただきました。
『ひらがなにっき』とは、識字学級で学ぶ吉田一子さんの作品をもとに制作された絵本。
その朗読と吉田さんの姿を紹介したビデオ上映の後、吉田さんが字を取り戻していかれた姿をお話しいただきました。

「字を識ることは自分を識り世界を識ること」「識字は人に熱と光をもたらす営み」とし、人権教育の中で大切にしなければならないものであることを丁寧に語っていただきました。

【分科会】

◇1分科会
みんなで一歩ずつ
河合町立河合第三小学校 谷 久代さん

学力が高く、学習意欲も旺盛な子どもたち。
保護者は教育熱心。
今春赴任した時にはとても落ち着いて見えた学校…。
しかし、子どもたちと関わるうちに見えてきた様々な課題。
「焦らず一年を通じて育てていこう」と、まさに「一歩ずつ」取り組まれたなかまづくりについて報告されました。

「違いを認め合い、一人一人が輝くなかまになってほしい」との願いを込め、『なかま』教材「人と話をするときに」「わたしたちは建築家」「人間コピー」に取り組みました。
教材を単なるゲーム活動で終わらせず、一人一人の「ふりかえり」を大切に、みんなの学びとつながりをめざした。

参加者からは、「地道な取組が素晴らしかった」「できなかったことも含めて学級の様子をさらけ出した実践に共感した」といった温かい発言が相次いぎました。

うまくいかない時でも、「No Rain,No Rainbow」(やまない雨はない)と自分に言い続けて実践を積み重ねてこられた谷さんの言葉が印象的でした。