人権エッセイ集

2007年度 アイドルトーク 02

1月号「三つ星」

冬の夜空を見上げると、オリオン座がひときわ存在感をはなっています。このオリオン座を手がかりに星空を眺めていくといろんな星が見つかります。ちなみに、ギリシャ神話の狩人オリオンのベルトにあたる3つの星は「三つ星」と呼ばれています。

さて、昨年11月にレストランを星の数で格付けすることで知られる「ミシュランガイド」の東京版がアジアで初めて発刊され、話題となりました。三つ星が8軒、二つ星が25軒、一つ星が117軒掲載され、「パリに次いで星の数が多い。東京の美食が世界に認められた」とメディアでは報じられていました。その結果、三つ星を獲得した和食店や寿司屋などでは、行列ができたり、予約でいっぱいになったりしていました。

これはおすすめだという情報は、もちろんあると思います。でも、誰かが格付けした情報をそのまま受け入れてしまってはいないかを考える必要があると思います。

また、どんなことにも順位づけがされている状況も危惧されます。テレビではタレントの容姿や性格などを比べ、「自分より下だ、上だ」と順位づけをしあう番組が放映されたり、インターネットでは、学校の偏差値ランキングが作られたりしています。そんな中、学校の友だちや先生の容姿や行動などをサイトの掲示板にランキングして書き込むという事象まで出てきています。

こうした風潮に惑わされることなく、自分でそれぞれの価値の大切さを認め、判断できる力を子どもたちにつけていくことが必要だと感じます。

ところで、夜空に輝く星もその明るさで一等星から六等星まで分けられています。しかし、小さくて名前も知られていない六等星も、地球から遠いためにその光が届きにくいだけで、太陽よりも輝いている大きな星がたくさんあります。

新しい年、一人一人が自分らしく輝き、お互いの光を認め合える一年になりますように…

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