人権エッセイ集

2004年度 アイドルトーク 02

5月号「4のつく年」

新しい年度がはじまりました。20世紀~21世紀の4のつく年を見ていくと、

  • 1904年 日本がロシアに宣戦布告し日露戦争はじまる。
  • 1914年 第一次世界大戦勃発。
  • 1934年 アドルフ・ヒトラーがドイツの総統に。
  • 1944年 インパール作戦で多くの日本兵が死傷。
  • 1954年 ビキニ環礁で第五福竜丸の船員が被曝。同年七月には自衛隊が発足。
  • 1964年 ベトナム戦争が起きる…。

そして新たに「2004年2月、陸上自衛隊がイラク入り」という歴史的事実が加わりました。

どのできごとも突然に起きるわけではなく、それまでの経過があります。現在での評価は別として、歴史の必然性というものを感じることがありますが、今回のできごとはどうでしょうか。

「大量破壊兵器を隠し持つ危険なテロ国家イラクに対峙する」という大儀に代わって、アメリカとの同盟関係や世界の36カ国が参加していることを理由にした「国際貢献」が強調されています。

さて、この国には世間体という言葉があります。「みんなやっているから」「日本だけやめるわけにはいかない」というのはまさに世間体を気にした行為のように思えます。

しかし、忘れてならないのは、私たちは他の国とは違う「平和憲法」を持っていることです。また、近隣諸国への侵略の歴史をもち二度の原爆被害を経験していることです。

そうしたことをもとにして、「みんながするから」ではなく、世界の平和のために日本としてできることを考え、行動することが必要なのではないでしょうか。「国際貢献」を「世間体」と同義語にしてはいけないと思います。

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